Old Lens 0056 > Meopta Belar 4,5/55 ENLARGER LENS 23MM SCREW THREAD DIAMETER 小さくて、可愛いく、珍しいチェコ製引き伸ばしレンズ、写りはびっくり・・・



 今回は少し珍しいチョコ製の引き伸ばしレンズ MEOPTA BELAR です。

戦前のチェコスロバキア時代から光学製品を作っていた会社の様で、冷戦の社会主義国家時代に翻弄されながらも、民主主義時代になり民営化後の現在は、近代施設を持つ工場でスポーツ及び軍事用光学機器、映写機、写真引き伸ばし機等を製造する会社として現存する様で双眼鏡やライフルスコープ等、優秀な光学製品を提供している様で、過去の劣悪な製造環境時代を除けば、今回のレンズ製造時も製品管理はされていた感じがします。



私は知りませんでしたが、MEOPTA社がカメラを製造していた時代が有り、二眼レフカメラのフレクサット、35㎜カメラのオペマーシリーズはご存じの方が多いようです。

今回のレンズはサイズがとても小さく、通常の引き伸ばしレンズはL39/M39規格の39mmスクリューマウントで作られたものがほとんどですが、このレンズはM23規格の23ミリのスクリューマウントで16㎜シネマレンズや産業カメラ用Cマウント25.4mm(1インチ)よりも小さく特殊です。


少し調べた限りではブローニーの120フィルムの6x6/6x9サイズよりも、
小さな127フィルムの4x4サイズ用の引き伸ばしレンズだと思われます。

今回のようにAPS-Cサイズのミラーレスで使う場合はケラレの原因となるイメージサークルの問題はありませんが、フルサイズの場合イメージサークルが足りずケラレが発生する可能性が大きいと思います。

古いレンズの場合、多少のケラレは雰囲気の演出にプラスに働く場合が多いので、その程度だと問題は無いのかなとも思いますが、現在フルサイズを持っていませんので確認はできません。

外観は古い時代の王道ゼブラ模様のレンズで雰囲気があります。


特徴的なのは絞りが四角になるところだと思います。
この部分はコストの関係なのか、引き伸ばしレンズの設計上では問題なしと判断したのか判りませんが、エコノミークラスの製品故の、コスト重視で四角い絞りになったと思います。当然、撮影被写体に光源が有る場合は、見事に四角いボケが発生します。

光源が少ない場合や弱い場合は、四角いボケは発生しませんが、ボケとしては少しざわざわ角が立った感じで、それほど綺麗では有りせん。
引き伸ばしレンズの性格上ボケに関しては、考慮や重要視されてないのかもしれません。



全般的な写りは一言でいえば<拾い物>本当に見事なほどしっかりと写ります。
一般的に光学製品はドイツ又は日本メーカーが評価されていますが、
日本ではほとんど馴染みのないチェコのレンズがこれほどの性能とは思いもしませんでした。

しかも、リーズナブルな価格のレンズで有りながら、
世界は広く知らない事でいっぱいです。

オールドレンズの世界は、加えて虚構・伝説・思い込みや洗脳が入り混じったカオスです。
自分で使ってみるのが一番です。
思わぬ発見にワクワクしますよ!!





4枚の解像感如何ですか?
色乗り・コントラスト・奥行き感、等満点を付けてあげたい感じで、高価な現代レンズは不要と写真が言っているように感じます。

3枚目の写真などは、多くのレンズでは漠然と木を切り取っただけの、平坦で詰まらない構図の写真にしか見えず、ブログに採用する事は有りませんが解像感を伴った上記の特性を持ち合わせたレンズで撮れば、お気に入りの写真になる事を教えてくれました。
紅梅がその他の木々に埋もれていません・・・これは良いレンズだけが描写出来る世界です。






開放F4.5のボケ味はいかがでしょう?
主題を手前に引き寄せれば思いのほかボケますね.
開放でのボケが思いのほか素直です。

主題と背景の距離感によってボケ味が変わるのは当たり前ですがAPS-Cで撮る限りそれほどの破綻は無いような気がします。
1枚目の写真では多少ぐるぐる巻きの傾向がありますが、他の写真ではそれほど気になりません。
ただフルサイズで撮った時大きく印象が変わるような予兆は見られます。
レンズサイズの影響か周辺部は余裕がないかもしれません。

この4枚についてはボケ味を見ていただくつもりで紹介したのですが、色の乗りの良さに魅力を感じます。

最後にお気に入りを2枚



レンズの詳細は不明です

特殊なスクリューマウント(M23/M23.5?)為、自作アダプター経由で使用になります。
製作と言う程の工作はしていませんが、ライカL39/M39ボディーキャップに23mmの穴を開けただけです。
只、僅かでもガタ(隙間)が出来ると光線もれが発生するため慎重にドリルで広げていき、はめ込むときにカチット音がする位の少しきつめの大きさにすることに気を付けました。



今回のチェコ製のレンズで感じた事、ボヘミアガラスで有名なチェコですが、他の分野でも確かな技術力を持った国なのかも・・・世界は広いです。

皆さんも一度、チェコのレンズ試して見て下さい。
きっと、幸せになれますよ!!!