Old Lens 0047 > Nikon EL-NIKKOR 50mm 1:2.8 N [813665]「基本性能は折り紙付き・・・ミラーレスの為のレンズ」
今回は引き伸ばしレンズの紹介です 。
引き伸ばしレンズと言うと、特殊なもので少々マニアックな感じ強かったのですが、ミラーレスカメラの登場で敷居が低くなり市民権を得た気がします。
そして多くの方が利用するようになり、引き伸ばしレンズの本来の使用目的の正確に描写する事に重点を置いた一面が、暗室を飛び出し明るい世界での撮影でも評価されている気がします。
その一方で、正確には撮れるが面白みが無い、又はボケを考慮していないレンズに対するボケ味に懐疑心も有る様です。
今回はボケについても紹介出来ればと思ってています。
先ほども言いましたが、一般的にはまだまだ特殊なレンズの認識のおかげか、随分リーズナブルな価格で購入する事が出来ます。
流通量が多いラッキーやフジノンは、特にお財布に優しく、ニッコールは少々高い感じですが、それでも一般的な一眼レフのレンズに比べれば、随分気軽に購入できる価格だと思います。
今回は 引き伸ばしレンズとしては,]最も明るい部類の Nikon EL-NIKKOR 50mm 1:2.8で撮影しました。
EL-NIKKOR 50mm 1:2.8には新旧2種類有り、何れも良く写ると評判のレンズですが、今回は改良版の「N」の紹介になります。 どの程度の描写をしてくれるのか、とても気になり楽しみです。
実際使用してみた感じはどうだったのでしょう・・・それでは、ご覧あれ
使用カメラの画像エンジンに依存するところはありますが普通に撮れてると思いませんか❓
というより普通以上の写りじゃありませんか❓
カラーバランスも解像度も上出来だと思います、ボケに関して変な癖もなく素直だと思います。
F 8のボケについては思いの外被写界深度が浅いのかなと思います 。少し意外な感じですが 使用前のボケに対する懸念は随分解消された気がします。
カリカリのキレキレの描写とは少し違いますが、解像度は十分に保たれ 奥行き感も問題なく表現されてると思います。
奥に向かうボケなども球面収差補正の過剰気味のレンズでは、ザワザワと落ち着きがなく気持ちの悪い描写になるのですが、大きな波状はなく問題のない レベルだと思います。
ひまわりの描写などは開放でも十分に解像度は保たれてると思いす。
主題に対して背景の位置が近い平面的な構成の場合はボケの量は当然ながら、多くなくシチュエーションに依るボケの量もコントロールしやすく、撮り手の意図を正確に描写してくれる感じがします。
赤系の主題は色にじみなどが発生しやすく、忠実にカラーバランスを表現することが大変難しいのですが、このレンズは赤に対する耐性も十分に有るような気がします。 赤色系の対象物が綺麗に撮れた時の満足感は特別で、それだけでもこのレンズの価値があると思います。
主題とと背景に距離がある場合、ボケの量も充分有り思いのほか視写界深度が浅い印象があります。そしてボケ方も実に素直で綺麗です。ボケに関して 考慮されていないとの指摘がありますが、 基本設計が忠実に印画紙に転写する事を目的に作られている為か、誇張感がなく 大変自然でカラーバランス や質感も ナチュラル系で破綻が有地ません。
この赤いバラなどは多くの場合、赤色が滲み輪郭が崩れてしまうのですが、実に正確に綺麗に表現されています。私の中では最高に近い赤の表現で、これだけで先程と同じくこのレンズを所有する価値があると思ってしまいます。
ボケに関しても解放及び F 8共に視写界深度が浅い感じで撮影者の技量がそのまま反映され少し怖い感じがします。
かなりざわついた背景の F 8のボケ方ですが、通常のレンズの F 4または F 5.6のような感じでやはり視写界深度が少し浅い気がします。そして開放での描写もF8同様にピンクの花に合わせるような幻想的で少しファンタジックな表現になっています。
色々な表情を持ち、只々正確にトレースする だけのレンズでは無い様な気がします 。
最後はお気に入りの一枚
この雰囲気は最高です・・・この一枚が撮れただけで今回は大満足です!!
最小絞り値 f16
レンズ構成 4群6枚
基準倍率 8×
標準使用倍率範囲 2~20×
画角 41°(8×時)
色収差補正波長域 380~700nm
原稿サイズ φ43.2mm(35mm判)
質量(重さ) 105g
全長 39mm
最大径 φ51mm
アタッチメントサイズ(φmm・ピッチ) φ40.5mm×0.5mm
後マウント(φmm・ピッチ) φ39mm×1/26"