Old Lens 0046 > Asahi Super Takumar 1:1.8 55mm M42 [1134128]「オールドレンズの定番は?どんな感じ・・・」

オールドレンズと聞いて想像するレンズは何ですか❓
ライツやツアイスを思い浮かべる方、ニコンやキャノンのなどのMFレンズ群を思い浮かべる方・・・1960年頃の内外の個性的なレンズ達に思いを馳せる方など色々・・・人それぞれのオールドレンズンへの思いや拘りが有ると思いますが・・・直球で答えると「M42マウントの標準レンズ」なのかな?と思います。

M42マウントは旧東ドイツ発祥、パテントフリーの為、世界各国で使われ「ユニバーサルマウント」としてドイツメーカーの魅力あふれるレンズ群ばかりでは無く、
海を渡り日本のアサヒペンタックスSPの大ヒットにより膨大な数のM42レンズが生まれ「Asahi Super Takumar 1:1.8 55mm」はその中心に位置し、膨大な販売量から、最も容易にリーズナブルに入手可能なオールドレンズになりました。

数の多さからドイツレンズの様な憧れの存在ではありませんし、貴重性も有りません。
私でも複数入手可能な・・・本当に有り触れたレンズですが・・・

「オールドレンズの世界にようこそ」・・・扉を優しく開いてくれるレンズだと思います。




薄曇りのシーンの雰囲気はよく表現されていると思います。
手前の配電盤ボックスの質感や鍵穴など繊細で、ボケ方は奥に向かうほど2線ボケが目立ってきますが、これはこれで許される範囲かなと・・・淡白ながら奥行き感も表現され先ず先ずでは・・・






距離感の違う開放F1.8とF8.0の作例ですが、先ほどの駐車場のボケ方とは少々違い、全体に素直でボケの量も十分有り、綺麗で豊富なボケを好む方でも納得できそうな感じです。



シュチエーションとしては、葉がザワザワとし紫の実の質感と色合いに依っては少醜くなりそうな被写体ですが、優しく感じられるのは現代レンズ程エッジを際立させる設計では無くオールドレンズお決まりの収差が良い方向に機能した例かもしれません。



進入禁止のポールまで優しく幻想的に表現出来るこのレンズ良いかも?
F1.8でも十分なボケ量が有ります・・・・扱う憎いF1.2やF1.4必要ですか?



先ほどからのボケに対する評価が少し揺らぎます・・・
F8.0では相変わらずカリカリとは無縁の端正に過不足なく表現されていますが、F1.8開放では奥に向かってのボケが少々悲惨な状態になっています。

オールドレンズに良く見られると言うより、ほとんどのオールドレンズの特徴的な特性の1つ、軸上色収差の残存でしょうか?緑の縁取りが残念です・・・

オールドレンズを趣味として楽しんでいる方達には、味として受け入れられるレベルだと思いますが・・・修行が足りていません。



淡白の一言



開放F1.8の時、背景のバブルボケに、先ほど同様に緑色の軸上色収差が見られます。
主題と背景の距離と光源の強さ大きさ、または色に影響されボケの輪郭に出現するようです。



こちらでも緑の疑似色が出ていますが、少し湿度感を伴いながら落ち着いたカラーバランスが好みです・・・どこかのメーカーの様に決して派手過ぎず控えめに過不足なく・・・



カリカリのコントラスト重視のレンズでは、表現出来ないナチュラルで精緻な描写とても素敵です!!



開放でも絞っても、全体のボケ量は多い感じで遠近感と雰囲気に良い効果が出ていると思います。


カラーで有りながらモノクロ的な穏やかな表現・・・オレンジの手すりが効果的です。
こんな写真も大好きです!!


新しく描かれたシャッター・・・ほのぼの明るく街が幸せになりそうです。
これは作例的に取り上げるまでなかったのですが、可愛かったので・・・!!

欲を言えばベースカメラ(SONY NEX-5N)のアルゴリズムがアンダーに振れる為、個人的には露出を+0.5~+1.0EV補正を加えれば 「モア ハッピー」なんですけど、基本的に出来る限り「撮って出し」で見て頂くコンセプトなので・・・・

最近WB(Daylight)での撮影も多いのですが、WB(Auto)よりアンダー傾向が強く「撮って出し」では少々厳しい作例もちらほら・・・
必要最小限の露出補正は許されるのかなと思い始めています。

あくまでも原風景に合わせる為の露出補正限定ですが・・・少し考えて行こうと思っています。






製造初年度: 1963製造

最終年: 1971

光学設計: 5群6枚

焦点距離最大 絞り最小 絞りブレード最小 フォーカス(m。)フィルターØ(mm。)重量(gr / oz)長さ(mm / in)
55mmf / 1.8f / 1660.4549215 / 7,638 / 1,5