Old Lens 0045 > OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-S 50mm 1:1.8 [3813231]「真面目で素直なロングセラーの末弟」
OLYMPUSのレンズは今回が初めてになります。
やはり標準レンズに登場頂く事にします。各メーカー共に代表として気合が入ったレンズが並びます。取り分けバンドルレンズは特にコストパフォーマンスが高いレンズのオンパレードです。
OLYMPUSでは今回の50mm F1.8シリーズが相当し30年間でシリアル番号500万台を製造、初期から最終まで6種類ほどのバージョンが有るそうで、今回のレンズは最後の6番目のバージョン、1~5までのバージョンの5郡6枚レンズ構成から、初めて構造的に大きく設計変更された4群6枚構成で少し残念な気もしますが、OLYMPUSのDNAは引き継がれたレンズだと思います。
ライカよりのクレームにより、当初のMシステムからOMシステムに名称変更が有りましたが、長年にわたり作り続けたレンズシリーズです。
従来の固有のカメラモデルを中心にシステムを構築、別モデルを発表すれば、そのカメラに合わせ別のシステムを構築し互換性の乏しいシステムが多数存在する概念を変え、システムと言う名を前面に展開したOMシリーズの由来・コンセプトで有る、カメラ本体までもシステムの構成要素の一つとして極一部を除き、全てのシステムの共通化が図られた結果30年に渡り作り続ける事が出来た稀有なレンズです。
OLYMPUSの考え方が具現化された、とても素敵なレンズだと思います。
この時期、午後6時を過ぎれば真っ暗です。デジタルカメラにF1.8のレンズを付ければ、シーンを選ぶ事無く撮れてしまいます。雰囲気は十分伝わっていると思いますがいかがですか?
解放F1.8では少し甘い感じが、ナチュラルでノスタルジックな感じにします。色再現はバランス型で諧調は保たれますが、ボケはシーンにより2線ボケが出ます。
曇り空の開放F1.8とF8.0の撮り比べでは、開放で甘く2線ボケが少々賑やかで、ボケの量はF1,8なりの感じがします。F8.0で解像度が増しますがキレキレでは無く、あくまでナチュラル、立体感は天候の性も有り陰影をともないます。
先ほどより1時間前の天候は同じく曇り、F8.0では多少日が高く明るい効果が出ているのか、コントラストが上がっている印象が有ります。解像度も上がっているのですが、あくまでも自然な感じです。
全体を通した印象も、普通に解像度も有り立体感も有るのですが、良くも悪くもナチュラルな印象で受け手の好みに依ってはインパクトが・・・と思う方もいるかもしれませんが、解像度重視の設計ではなく、バランス重視の真面目なレンズかと思いました。
小型軽量のコンセプトで開発設計されたレンズの為、何処かで手抜きや妥協が有りそうですが、実に良く出来ています質感も悪くありませんし、小型化の為に開発された独特の絞り環も妥協の痕跡は有りませんし、操作性も上々で製造番号も印刷では無く刻印で・・その刻印が深く立派で感動!してしまった程に手抜きを感じません・・・そんなOLYMPUSのカメラ部門の身売り残念でなりません・・・コンセプトに時代が付いてこれなかったのか?地道に製品を熟成させながら育てる会社に未来は無いのでしょうか?・・・
製造初年度: 1972~2002
光学設計: 5群6枚(初期)/ 4段6枚(後期)
焦点距離 50mm
最大 絞り f / 1.8
最小 絞り f / 16
ブレード 6枚
最小 フォーカス 0.45m
フィルターØ 49mm
重量 165g
長さ 32mm