Old Lens 0043 > KONICA HEXANON 1:1.8 f=45mm [KONICA ELECTRONから抽出] 世界でも稀?奇妙な絞り羽根・・・写りも変です


1966/02発売後好評を続けた「Yashica Electro35/Yashinon-DX 45mm F1.7」を強く意識し開発されたと思われる「KONICA ELECTORON/HEXANON45mm F1.8」のレンズ部分を試し撮りです。
レンズの作りも丁寧で、この時代各カメラメーカーの良いカメラを作りたいと切磋琢磨の様子が見て取れる気がします・・・現在の製品作りとは物量の違いに感動すら・・・利益は出たのかな少し心配するぐらい真摯な物作りです。

写りが楽しみでワクワクが止まらないのですが、一点理解不能な個所が有ります・・・絞りの形なんですが・・・何ですか?この形?冗談では済まされません。
レンズの作りからは予想外の2枚絞りの奇形?この形には深い意味が有ると思います・・・そう思いたい。


発売当初をご存知の方は理由は知っているかと思いますが、レンズシャッターと絞りの兼用・・・コストの関係・・・そうは思いたくない自分が居ます・・・又はEE機構との関係でシンプルにしたかった?出来なかった?
4年近く前に「Yashica Electro35」は5枚絞りで作ってますから・・・でも「KONICA ELECTORON」から1年後に「YASHICA ELECTRO35CCN/YASHINON 35mm F1.8」と言う大変魅力的な広角レンズのカメラを出しますが、「KONICA ELECTORON」同様に奇妙奇天烈ほぼ同じ形で登場・・・シャッターは共に、COPAL ELEC電子シャッター(LT 8秒~1/250秒で絞りは・・・同じ?

f1.8の明るい広角レンズ。今もミラーレスで愛用されている方も多いと聞きますが、やはり絞りの形は気になる方が多いようです。
心理テストでこの形何に見えますか?・・・・鳥ですか?エイ?クリオネ?恐竜?・・・貴方の心は病んでいますてな感じ・・・

同じ2枚絞りでも、もう少し違う形が有った様な「KONICA C35」「OLYMPUS XA」「Fujica half」の四角い絞り方がスッキリ理に適っている気がしますが・・・如何でしょうか?・・・絞れば関係ないと言う事でしょうか?

これほど特徴的な絞りの形状・・・さぞかし作例が一杯かと思いきや、作例ほとんど有りませんし、紹介記事は「KONICA ELECTORON」「Yashica Electro35CC」共に有る程度の数を見つける事が出来るのですが、私の視点とは違い絞り込んだ作例が多く、絞りに関しての記述も変わった形で当時の流行りだったのかもしれません等・・・スルーされています。
皆さん本当に気に成らなかったのかな~~
影響が無いとお思いだったのかな?・・・その事が気になってしかた有りません。

フィルム時代、気になりながらも、この2枚絞りで躊躇されてた方や、デジタル時代になり初めてオールドレンズに関心を持たれた方など・・・参考に成れば幸いです。

紹介のレンズ、実は余り程度が良く有りません。
過去に誰かの分解歴も有りますし、カビ?除去の際と思われる広範囲のコーティング剥がれや再組立て時の精度の問題など、本来の性能が出ていないかもしれませんが一度ご覧下さい。







何が飛んでいるのでしょう?
絞りに拠り形は変わりますが、兎に角沢山飛んでいます・・・
これはもうボケとは言わない・・・アートの領域?
キュビスムの創始者の一人ジョルジュ・ブラックの基本モチーフの鳥が思い浮かびます。







開放ではごく一般的に見られるボケ写真ですが、絞りの変化で棘の様な変わった背景に変わります。正直な所、見たものを再現してくれる事又は心象風景として記憶の断片を再現し記録するものが写真と考えると、少し違うかな?・・・紫陽花の描写や色再現に過不足は無くカリカリでは有りませんが、優しく良く観察すると解像度も保たれているのに・・・少し残念。







カラーバランスや発色は十分以上の写りが楽しめていますが、鎖の部分に目を向けると、絞りに拠り、有刺鉄線に変化したり、鎖だった事も消え去り・・・こんなにささくれたら子供が怪我しちゃうよ・・・そんな声が聞こえて来そうです。

最後は絞りの形は忘れて・・・







最後の5枚、どうでしたか?
普通の写真に見えましたか?
今回は絞りの形に終始しましたが、発色及び解像度は平均的レベルには有ると思います。
後は撮影者の意図が、このレンズの評価を決めてくれる気がします。
ご興味が有りましたら一度試すのもオールドレンズの楽しみ方・・・それでは。