Old Lens 0035 > KENLOCK-Mc・tor 28mm f2.8 [321145]「 マウントアダプター交換・・・私は好きです・・・この写り」

無限の合点状態からKONICA ARマウント仕様と判断、先回のヤシカ・コンタックス(c/y)アダプター装着でクローズアップレンズ化から通常撮影可能になりましたので、晴天午後1時から2時(撮影場所は日陰多し)、KENLOCK-Mc・tor 28mm f2.8 の実力を探りながら、写りをご紹介したいと思います。


Sony NEX-3 ƒ/5.6 1/125sec iso200 -0.3EV
中央部ピントは多少甘い感じは有りますが、主題としての解像度は問題無いと思います。
F5.6に絞った時にもカラー再現は、個人的に大変良好です。右側の黒潰れや左側白トビは有りますが、撮影条件の晴天完全日陰を考慮すると、グリーンの描き分けとボケ方が大変素直で誇張感なくトータルでは、とても良い雰囲気が出たと思います。絞り羽根6枚構成が見事に確認出来、コストとの関係が見え、玉ボケは丸に限るとお思いの方には残念な作例になっているかもしれませんが、個人的には好きなバランス表現です。


Sony NEX-3 ƒ/2.8 1/320sec iso200 -0.3EV


Sony NEX-3 ƒ/5.6 1/80sec iso200 -0.3EV
クローズアップレンズ化の時と同じく開放は甘くフレアーが目立ち、只のボケた写真に見えますが、優しく明るいキャラクターは同じです。F5.6は解像度が当然上がっていますが、基本的には甘いタイプで、線が細く繊細な部分も持ち合わせている気がします。背景は特に綺麗っでも有りませんが、小石のボケ方がにリング状や6角形や色々の表情が有り、少し特徴的な感じがします。

Sony NEX-3 ƒ/2.8 1/1000sec iso200 -0.3EV
クローズアップレンズ化の時の延長上か、それ以上にソフトで幻想的です。ピンクの花の色はとても好きで明るく可憐です。次回に顕著な例をご紹介出来ると思いますが、補正不足の為かボケの表現は柔らかくファンタジックな感じがしますが、画面左中央に口径食が表れています。前玉が拾った光の軌道上の障害物に遮られているかと思いますが、今回APS-Cの撮影でも確認出来た事で、フルサイズ撮影時のボケが楽しみで、見てみたい気がします。オールドレンズはやはり楽しい!!

Sony NEX-3 ƒ/2.8 1/500sec iso200 -0.3EV

 Sony NEX-3 ƒ/5.6 1/80sec iso200 -0.3EV
開放ではフレアーの発生も多く・開放ボケなのか?単純にピントずれでボケているのか?判らないほどの描写で、これはこれで面白い写真だと思います。F5.6では少々甘めで曖昧さが残りますが、色再現もボケ方も良好でクッキリハッキリでは有りませんが、適度な立体感も見て取れます。先の2例でも判る通り28mmの広角にしては良くボケるレンズと感じました。

Sony NEX-3 ƒ/5.6 1/100sec iso200 -0.3EV
日の丸構図で背景との距離感が同じの場合、当然ですが雰囲気は同じに写ります。シャープではないけれど柔らかく繊細な感じで、淡い色合いながら明るく可憐です。

Sony NEX-3 ƒ/5.6 1/500sec iso200 -0.3EV
白いバラが可憐!!何度も言いますが解像度は高く有りません。それでも一枚一枚の花弁が質感とグラデーションを伴って描写されます。現代レンズのハッキリクッキリで表現される世界とは別の世界、背景のボケ方なども諧調滑らかに表現されシャープではないけれど実在感が有り、お気に入りの一枚です。この一枚が撮れただけで購入した価値が有りました。

Sony NEX-3 ƒ/5.6 1/320sec iso200 -0.3EV
この作例と次の作例は一般的な風景写真の参考に撮影しました。結果は近接撮影時には個人的にプラスに働いた柔らかさや淡い発色が、コントラストの欠けたインパクトの弱さに変わり、解像度の甘さも少々気にり、フレアーの発生も有り残念な作例に成りました。

Sony NEX-3 ƒ/5.6 1/320sec iso200 -0.3EV
この2例と後の2例の4例は、はさらに絞りF8~F11での変化を試したかったと思いました。

Sony NEX-3 ƒ/5.6 1/640sec iso200 -0.3EV
完全な遠景では無く手前にススキなど置いた場合は多少改善され、何とか風景写真の雰囲気が出る気がします。

Sony NEX-3 ƒ/5.6 1/200sec iso200 -0.3EV
右からの逆光ですが、耐光性は極めて低い様です。基本F5.6程度まで絞った時でも順光時もフレアーが完全になくなる訳では無く、僅かにフレアーは発生している様で、良い意味で柔らかい表現に働いていいる様ですが、逆光ではフレアーの発生は止められません。写真表現の一部として利用価値は有り、これがオールドレンズなのかなとも思います。

Sony NEX-3 ƒ/5.6 1/320sec iso200 -0.3EV
左横からの光ですが、全体は日陰の為、横の光が部分光として差し込む形でフレアーの影響が気に成らないレベルに成り、コントラストも増したようです。色再現は悪く無いと思います。

Sony NEX-3 ƒ/5.6 1/30sec iso200 -0.3EV
完全な日陰の葉に覆われた奥の実ですが、光の状態が安定して色彩のトーン再現も悪く無いと思います。

Sony NEX-3 ƒ/5.6 1/250sec iso200 -0.3EV
全体には甘い描写ですが、主になる芙蓉にポイントを置くと、全体まで引きずられる様に再現性が増す様に感じます。芙蓉は適度な解像度が有り、細やかで丁寧に写しこまれています。

Sony NEX-3 ƒ/5.6 1/80sec iso200 -0.3EV
こちらも日陰ですが僅かに後方からの光が有ります。背景は奥に行くほどに日が陰りフレアーの影響が少なくこのレンズにしては濃い色再現に成りました。

Sony NEX-3 ƒ/5.6 1/160sec iso200 -0.3EV
先ほどの白いバラと同様に、このレンズで撮る白い花にはとても惹かれるものが有ります。やはり柔らかく繊細でカラーバランスが白の表現に有っている感じがします。

Sony NEX-3 ƒ/5,6 1/60sec iso200 -0.3EV
主題と背景の距離バランスが良いのか、随分立体的に表現されている気がします。背景は大変ざわつき易い条件ですが、グラデーションの再現が良いのか、収差補正の不足の為かエッジが目立たず主役の邪魔はしていない様です。

Sony NEX-3 ƒ/5.6 1/60sec iso200 -0.3EV
一定の距離感とサイズで見る限り立体表現は良い感じがします。少しシュールな写真ですが花が浮き過ぎずリアル感が有ります。切れの良いレンズで撮ると花が浮きすぎ、貼り絵の様で違和感が出るのですが、ほど良い感じです。

Sony NEX-3 ƒ/5.6 1/320sec iso200 -0.3EV
強烈なコントラストの作例で、NEX‐3の画像エンジンがシャドーに寄り過ぎ、ハイライトがが飛び気味ですが、RAWソフトで調整現像した感じは、思いの外諧調豊に記録されている為か、良い感じに仕上がってくれます。

  • 印象

今回は通常撮影の作例を何点か見て頂きましたが、相対的にはクローズアップレンズ化の時と傾向は同じで、少し解像度が足りない所が有りますが、色再現・諧調共に見るべき処は有り、幻想的で有り・リアルで有りオールドレンズの有るべき姿の様に感じました。

次回は、先回と今回共にフレアーにまつわる話が多く出ましたので、少し番外編として「夜と昼と口径食」でお会いしましょう。

  • 今回の撮影機材と被写界深度

SONY NEX-3 KENLOCK-Mc・tor 28mm f2.8






ƒ/2.8


ƒ/8