Old Lens 0028 > C.F. Foth & Co 120 Roll Film Camera(6 x 9) Germany 1927-34生まれのレンズ・・・レンズは進化したのか。

先回は遠い昔のレンズと言う事で、少しノスタルジーな感じの紹介に成りました。
今回はこのレンズのポテンシャルを見てみたいと思います。

レンズ構成など詳細な情報が簡単には見つかりそうもなく、特に120mm F4.9のレンズの情報は皆無の状態です。目で確認できる所と実測可能なスペックしかお伝え出来ません。

本当は、このレンズが目標としたで有ろう、ツアイスのカメラレンズ(時代からトリプレット又はテッサー型)辺りと比較できれば良かったのですが、ツアイスイコンの蛇腹は手持ちに有るのですが、今の所オリジナルを尊重して手を出す事が出来ていません。機会が有りましたら比較してみたいと思います。

昔のレンズを今の感覚で見てみてる事に、どれほどの意味が有るのか判りませんが、意外な発見は、どんな世界でもワクワクしますし、これが有るからオールドレンズですよね。

では・・・どうぞ。




Sony NEX-3 ƒ/4.9 1/400sec iso200 -0.31 EV
午後2時半、晴れた感じが良く出ていると思います。ドイツのレンズですが何だか開放的で明るい地中海産のレンズの様に明るいです。地中海産レンズなんて見た事も有りませんが・・・右隅のボケが流れていますが、基本的に描写が優しく細かい背景でもそれ程気になりません。


Sony NEX-3 ƒ/4.9 1/500sec iso200 -0.31 EV
今年何度かこのキバナコスモスを撮る機会が有りましたが、殆どのレンズは色が濃くハッキリと強烈な色彩を放っていました。レンズの曇りの影響も有るかもしれませんが、一番明るく目に優しい感じに撮れました。ボケ方も柔らかくザックリと大らかで良い感じです。


Sony NEX-3 ƒ/4.9 1/640sec iso200 -0.31 EV
左手前にピントが有るのか?無いのか?の感じですが、黄色と緑色の発色と少しザックリとした絵画的なボケが、気に入っています。


Sony NEX-3 ƒ/4.9 1/100sec iso200 -0.31 EV
細密か?と問われるとピントは甘く曖昧な感じがしますが、この光の条件下で、このコントラストを維持し淡い藤色と濃く暗くなっていく緑を表現出来て、なお優しい。


Sony NEX-3 ƒ/4.9 1/250sec iso200 -0.31 EV
この写真も自分でアシストを使いピントを合わせたはずが、何処にピントが来ているのか良く判りません。ピントは何処でも良く、全体の雰囲気がどれ程、表現出来たのか?写真はそこが大事だよと教えてくれている様です。背景のピンクや紫・白の玉ボケやバブルボケは水の浮かぶ水連ですが、ファンタジックな効果を生んでいませんか?


Sony NEX-3 ƒ/4.9 1/250sec iso200 -0.31 EV
この写真お気に入りの一枚ですが、この写真もピントがどこに有るのか?正直判りません。背景の暗い感じと、明るく日が差すススキと、所々光に浮かぶ緑の葉、控え目に表れる玉ボケ、全てのバランスが絶妙・・・解像度だけでは得られないリアル感最高です。


Sony NEX-3 ƒ/4.9 1/250sec iso200 -0.31 EV
強烈な逆光ですが不思議とフレアの発生が殆ど無く、グラデーションも滑らかに描き分けていると思います。目立たない所で真円の玉ボケが良い仕事をしています。


Sony NEX-3 ƒ/4.9 1/800sec iso200 -0.31 EV
カリカリの描写では無いのですが、何故だかリアルな感じで、大きくボケて主題を浮き立たせている訳では無く、微妙なボケ方で描写が解像度を伴う緻密さでは無いのですが、優しく細密です。


Sony NEX-3 ƒ/4.9 1/1000sec iso200 -0.31 EV
フレアも出ていて甘い感じですが、このカラーバランスが私は好きなようです。明るい壁と空・・・良い天気でしたよ。

  • 今回のレンズ如何でしたか?
私はとても素敵なレンズだと思いました。

私は明るい色合いのレンズが好きなのですが、アマ・プロ問わず愛用レンズは解像度が高いのは当然ですが、色味も濃くハッキリ・クッキリのコントラスト重視で見栄えのするレンズが評価される傾向が有る様に感じています。私の好みは少し違って明るく有機的で、繊細な感じです。今回のレンズはコーティングもモノクロ用又は無しと思われますが、カラーバランスが大変素直で誇張感が無く、線の細い繊細な描写で現代レンズの進化は間違い有りませんが、こんな方向で極めたレンズが現代にも有れば素敵な事だと思いました。

  • 被写界深度サンプル

ƒ/4.9


ƒ/9


ƒ/36

今回は撮影機材の部品点数が多く、少々大掛かりになってしまいました。

SONY NEX-3 ミラーレス一眼 +NEX EXTENTINO TUBE(7mm+14mm) + PIXCO M52-M42/M(25-55) ヘリコイドマウントアダプター + 52mm-42mmステップダウンリング + PIXCO M42-M42/M(17-31) ヘリコイドマウントアダプター + Foth 120mm F4.9
各々部品は使用に問題は無く機能しましたが、PIXCO M52-M42/M(25-55) ヘリコイドマウントアダプターに付いては、同メーカーPIXCO M42-M42/M(17-31)に比べ ヘリコイドの回転がスムーズで無かったり、潤滑油のシミだしが止まらなかったり、若干精度が落ちる感じがしました。

今回大掛かりになったのは、未知のレンズでデーターも無くフランジバックなど不明な為、可動範囲を大きくする為、ヘリコイドアダプター2段構成で探った為で、ピント可動範囲は判りましたので、もう少しシンプルな構成で見た目も良く出来ると思います。

結果は∞でのデータは環境が有りませんでしたので、被写界深度サンプル撮影時のレンズ先端から被写体まで0,9mで疑似フランジバックは 129.5mm (ソニーE 18mm + チューブ 36mm+ヘリコイドa 44mm+ヘリコイドb+ステップダウンリング 31.5mm)で∞のポイントは10~20mm戻した115mm辺りかと思います。

SONY NEX-3に装着時のバランスは、もう何と言うか写れば良いんです。











  • 仕様表>
焦点距離 120mm [SONY NEX3装着時145mmレンズの画角に相当]
最大口径比 1:4.9
最大撮影倍率(倍)
レンズ構成 トリプレット又はテッサー型
画角 25°65′(35mm判フルサイズ一眼レフカメラ)11°30′(APS-C一眼レフカメラ)
撮影距離目盛 ∞~-
最短撮影距離 -m
絞り羽根枚数 9枚
最大絞り f/4.9
最小絞り f/36
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) -mm
マウント -
寸法 約56mm(最大径)全長約27.4mm 前玉径 25mm 後玉径 22mm
質量 約100g
発売日:1927-34年
発売時価格 ー