Old Lens 0052 > CANON LENS New FD 50mm 1:1.4 [6678317]「当時の高性能それは無味乾燥なデータの集まり?・・・それは違います」

CANON 50mm標準レンズ2回目の紹介です。

以前紹介のCANON FD 50mm F1.8 S.C. (II) 程の個性は無いかな・・・そんな印象です。

今回は全て開放F1.4の撮影です(マウントアダプターの絞り制御用ピン折れの為、折れた原因については張本人<CANON FL 50mm F1.8>のレンズ紹介で後日お話したいと思います)

CANON50mmレンズの開放と言うとフレアの為、甘くボケた印象のレンズが多いのですが、思いのほか破綻も無く普通でしたので<個性は無いかな>と冒頭の印象になりました。

この時代のレンズに対して、現代のレンズ描写を体感した目線から<個性は無い・・・普通>と感じられること自体、立派な事かもしれません。

開放F1.4での描写としては十分実用に耐えうる素直で使いやすいレンズだと思います。
テッサー型F3.5開放タイプのレンズでは、当たり前に開放で実用可能ですが、開放F1.4クラスになると気難しいレンズが多く、以前紹介のNikon NIKKOR-S Auto f1.4 50mmでは翻弄されてしまいました。

その時に感じた事、開放から使えるレンズは、ピント合わせの段階で感じる手応えで決まる気がします。

物理的には球面収差などに依るフレアで、エッジが曖昧で合わせ難い場合です。

開放での甘く柔らかな描写が大好きな方には多少肩透かしな感じがするかもしれませんが、開放からある程度のピント精度とシャープネスが得られる事は、写真表現上では大事で重要な要素だと考えると、今回のCANON LENS New FD 50mm 1:1.4はよいレンズだと思いました。



















ある町の姿を切り取ってみたら・・・何時もの街であり・・・他の街でもあり・・・違うレンズで切り取ればまた違う空気が映りますが、この空気が映ることがとても大事で、エッジが立ちながら・・・立ちすぎず。フレアも無い様でいて・・・潜んでいたり、微妙で微細な感じが大事です。











写真投稿サイトにUPする事が有り、その時に作品名の記入が必要なのですが、作品毎にタイトルを付けるのは大変でシリーズ化した時のタイトル名「剥がれた街1」「忘れられたもの1」用に撮影しましたが、この時代のCANON LENSの特徴なのか寒色系の仕上がりが「2シリーズ」に良くマッチしています。















最後は開放らしいボケ味と光に依る解析現象とゴーストです。

オールドレンズ遊びの王道ですが、この程度の暴れでは足りませんか?
これより先は、レンズ紹介写真と言うより作品になってしまいますので、今回はここまでです。

色々な表現が可能なレンズは楽しいですね・・・是非お試しを!







  • 仕様表
発売年月 1979年(昭和54年)6月
発売時価格 32,000円
レンズ構成(群) 6
レンズ構成(枚) 7
絞り羽根枚数 8
最小絞り 22
最短撮影距離(m) 0.45
最大撮影倍率(倍) 0.15
フィルター径(mm) 52
最大径x長さ(mm)x(mm) 63 x 41
質 量(g) 235

  • メーカーノート
FL50mm F1.4 II(FD50mm F1.4)の光学系を発展させ、一層のコンパクト化と高コントラスト化を両立させたレンズ。標準レンズの中の標準レンズともいうべき高画質を備えている。またカラーバランスにも優れ、ISO推奨値とほぼ同じ値を有する。