Old Lens 0044 > YASHICA LENS DSB 50mm 1:1.9 「富岡だよね?・・・良きレンズです」



YASHICAのLENSと言えば、なぜか富岡の名前が浮かびますし、珍重もされます。
何だか隠しアイテムの様な・・・実は・・・あの富岡光学が製造したレンズで・・・凄いでしょ!!・・・こんな感じで富岡ブランドは語られる・・・そんな気がします。

YASHINON銘板のレンズは富岡光学のOEMとして良く知られてますが、この時代は独立企業としての富岡光学は存在し、優秀なレンズを作る事で知られ、そのレンズOEMメーカーが手掛け、たいそう立派な写りがすると広まった・・・こんな感じでしょうか?




今回のレンズはYASHINONでは無くYASHICA LENSブランドです。

カメラレンズ憧れの2大メーカーの一つツアイスに、ヤシカエレクトロ35で培った電子制御技術と、1968年に子会社した富岡光学(長年にわたりYASHICAにレンズ供給)のレンズ製造技術が評価され、1974年9月にカール・ツァイスと提携後、1975年に35mm一眼レフ、コンタックスRTSを発売と同時にコンタックスRTS用カール・ツァイスレンズを発売、加えて同一マウントの「YASHICA」ブランド一眼レフおよびレンズも併売 。

今回ご紹介のレンズは、YASHICA LENSブランドの中でも初期製造に成るかと思います。
YASHICA LENSブランドについて、富岡か否やとヒソヒソト語られ議論されてるとか?・・・特にこのレンズに関して資料と思しきものは殆ど有りません。



ヤシカも富岡光学もこのレンズを入手するまで、知らなかった、気にも留めなかった・・・・そんなブランドでした。

只、無知な私が考えたことはYASHICAの成り立ちです、富岡光学の子会社化以前にもニッカカメラやズノー光学工業を買収し規模拡大を図っていったYASHICAが、富岡光学をフル活用しない訳が有りません。まして子会社化以前から自社レンズのOEM会社ですから。



子会社化以降、YASHICAの意向がどれほどだったのか判りませんが、富岡光学が製造に関わっていないとは思えません。

内外のレンズを完全分解整備をされている方も、富岡の特徴が見て取れるとの事で「富岡光学製」と書かれていた記憶があります。

何はともあれ「富岡光学製」にはロマンが有るようです・・・素人の私にここまで語らせたのですから・・・ではもう少し・・・





撮影日は薄曇り
レンズの性格か・・・少し抑えたトーンが良くマッチします。

前半のF8.0の作例ではキレキレまでの鮮烈さは有りませんが、画面全体に確かな手応えと立体感が有り、無味乾燥で平面的な硬い描写とは比較になりません。

後半のF1.9解放のボケ方は前ボケ・後ろボケ共に素直で綺麗!このボケ味が立体感と写真でも有りながら、動画でも有るような表現を感じさせとても素敵でした!!!

皆さんは、いかがでしたか?

富岡光学か否かはもうどうでも良い・・・本当に良いレンズです。
現在300本近いレンズの試写をしていますが、良いレンズはファインダーまたは液晶を覗いた時に、気配と言うか・・・予感と言うか・・・手応えが伝わります・・・
このYASHICA LENSにも、確かに伝わります・・・私の思いが・・・
レンズにこれといった高級感やデザイン性がある訳では無く地味で普通のレンズ何ですが、気が付くと手元に残っていて・・・次に撮った時もやはり同じように・・・これ良いレンズだね!なんかね!そんなレンズでした。

最後に、この写真の向こうには何が有る・・・今回のお気に入りです。
では、また


今回の撮影機材





製造初年度: 1978
光学設計: 4群6枚
焦点距離 : 50mm
最大絞り:  f1.9
最小絞り:  f16
ブレード最小:  6枚 
フォーカス(m): 0.5
フィルターØ(mm): 52
重量(g): 215
長さ(mm): 42